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アマル それは希望 高ヒット
2017/3/7 14:41 投稿者: manager (記事一覧) [ 1655hit ]

アマル それは希望 七つの愛のアンソロジー
天木直人著
元就出版社

企画 小石川ユニット

編集 赤羽 高樹
イラスト 影山 洋

校閲 谷口多津子
制作 デルタネットデザイン 新井 満
装 幀 中 島 かほる

 

もうずいぶん前のことになるが、林望という国文学者が、みずからをAV愛好者であると認めた上で、男女が愛し合っている姿を見ているとこれほど美しく平和なものはないと思う、と語っていたことを何かの雑誌で読んだことがあった。同じくAV愛好者の私は、そのとき、「わが意を得たり!」と思ってその文章を読んだものだ。以来私は、一面識もないこの学者を敬愛するようになった。
そのリンボウ先生は、その後ますます健在で、『源氏物語』を自ら翻訳して愛の素晴らしさを伝えようとしたり、雑誌『サピオ』(二〇一四年十月号)に寄稿して、自由な性愛を謳歌することが日本人の本来の姿であったのに、明治維新以来の富国強兵政策が性愛を閉じ込めてしまった、今こそ本来の日本をとり戻そう、と訴えている。
私は、このリンボウ先生が渾身の力を込めて伝えようとしているメッセージこそ、安倍首相に届けたいと思う。その思いが私にこの作品集を書かせ、世に問うことになった。
私は今から十一年ほど前の二〇〇三年八月まで、レバノンという中東の小国に、特命全権大使として勤務した元外務官僚である。私がレバノンに着任した半年後の二〇〇一年九月十一日に、米国で同時多発テロが起きた。そして米国はその一か月後に、犯人をかくまったアフガニスタンのタリバン政権は許せないと言って攻撃した。
また米国は二〇〇三年三月に、サダム・フセインのイラクが大量破壊兵器を持って米国に差し迫った脅威を与えているとして先制攻撃をした。その間、レバノンではイスラエルの攻撃に苦しむパレスチナ人の悲しみと怒りが報じられない日はなかった。私が親しくしていた大統領警護隊長は、ある夜私と会食をしていたとき、イスラエルの犠牲になった子供を抱いて泣き叫ぶパレスチナの母親の報道写真を私に見せて、涙をぼろぼろと流した。その光景を私は今も忘れられない。
それらの体験から私が学んだことは、人間愛(ヒューマニズム)の大切さであり、それを忘れて、考えの異なる者を暴力で排除することの間違いと危険性であった。私が米国のイラク攻撃に大使の職を賭して反対した原点がそこにあった。


──天木直人(あとがきより)

電話番号AA094
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