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“ヒロシマ・ナガサキ” 被爆神話を解体する 高ヒット
2017/3/7 14:48 投稿者: manager (記事一覧) [ 1260hit ]

“ヒロシマ・ナガサキ”

被爆神話を解体する
──隠蔽されてきた日米共犯関係の原点

 

2015年7月25日 第1刷印刷
2015年8月 6 日 第1刷発行

著者────柴田優呼

発行所―――株式会社作品社

企画編集協力――株式会社スタジオ・フォンテ
本文組版――デルタネットデザイン:新井満
装丁――――小川惟久

ISBN978-4-86182-547-7 C0020

 

碑文の謎
『安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから』
広島市の平和記念公園内にある、この原爆死没者慰霊碑の碑文を見聞きしたことがある人は多いだろう。この慰霊碑は、米軍占領が終わり日本が主権を回復した後の一九五二年、もともと広島平和都市記念碑として建立されたものだ。
だが、この文章の意味がよくわからない、と思っている人も、同じぐらい多いのではないだろうか。
それもそのはずだ。「過ちは繰返しませぬ」と言っている、この文の主語は誰なのか。
過ちとは、どんな過ちのことなのか。
そして、こうした碑文を刻むことで、全体として何を言おうとしているのか。いったい、何を意図した記念碑建立なのか。
すべて、あいまいなままなのである。
しかし、もっとよくわからないのは、実はこうしたあいまいさを座視してきた当の日本人自身なのではないだろうか。
判じ物のようなこの慰霊碑の碑文が象徴しているアメリカとのうやむやな関係を、戦後七〇年間にわたってそのまま放置してきた私たち自身こそ、一番不思議なのである。
かねてこの碑文に対して、「過ちは繰返しませぬ」の主語が「日本人」だと読める、という批判があった。東京裁判の判事を務めたインドのラダビノド・パルや、物理学者の武谷三男らが、なぜ原爆により被害を受けた側が「過ちを犯した」と謝罪するのか、などと疑問を投げかけたという経緯がある。
そうした論争を経て、この碑文についての説明板が一九八三年に慰霊碑に設置された。説明板によると、碑文の主語は「すべての人びと」であり、「過ち」とは「戦争」のことだとされている。
これでは碑文の謎は深まるばかりだ。「戦争」とは、具体的にどの戦争のことを指すのだろうか。もし戦争全般を指すと言うなら、なぜその慰霊碑が広島に建てられるのだろうか。
一番の問題は、この碑文がアメリカに一言も触れず、その存在すら迂回して、原爆死没者について語ることを可能にしていることだ。


──柴田優呼〈はじめにより〉

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